2017年10月28日

ビューテイコ呼吸法とは

ビューテイコ呼吸法 
血液を変化させる呼吸法

 ビューテイコ呼吸法を考案したのは、40年以上人間の呼吸を研究したロシアの生化、生理学者コンスタンチン・ビューテイコ氏(1923年生まれ、2003年没)の名前が由来です。
:正式名はコンスタンチン・パヴロヴィチ・ブテイコですが、18年前に私が初めて日本に紹介するに当たり、ロシア語のブテイコを耳障り良く「ビューテイコ」に直し、ホームページにて紹介致しました。

 彼は、40年以上もモスクワの医科大学で人間の呼吸を研究してきました。 特に急性呼吸器疾患の患者の呼吸レート(呼吸の深さ、頻度)が正常な人より増えていることに注目しまた。また、ビューテイコは過呼吸の時の血液のpHに着目し、血液のpHを正常値に戻す呼吸法を考え出しました。 ビューテイコは長年の呼吸の研究から、血液に対する酸素と二酸化炭素の影響に着目した学者です。 普通でしたら見落とすような0.01~0.05のpHの変動に着目してそれを正常に戻す呼吸法を発見したのです。

 そのことは呼吸法で酸素を最大限活用できる血液に変化させることが可能であると言うことを意味しています。更に、ビューテイコは血液のpHがたった0.01~0.05変動するだけで様々な不都合が身体に起こることを解明したのです。


呼吸過多の状態
呼吸は深く大量に吸えば健康か?

 過ぎたるは及ばざるがごとし。食べすぎが体にわるいと同様に呼吸のし過ぎも良くないということをご存知でしたか? えっ!だってたくさん呼吸すればするほど、より多くの酸素を取り込むことが出来て、代謝も活発になって良いんじゃなかったの?という声が聞こえてきそうです。一般的には酸素は善、二酸化炭素は悪と言う認識が大半を占めてきました。

 しかし、近年研究が進み実は大いなる誤解があったことが判ったのです。 必要以上に呼吸量が増すことにより血液中の二酸化炭素量と酸素量のバランスが崩れ、つづいて血液のpHバランスに影響することが判っているからです。 正常とされる動脈中の血中pHは7.35~7.45で維持されていますが、呼吸亢進(呼吸過多)の状態になりますと必要以上の酸素が血液のヘモクロビンと結合することによりpH値が7.5を超えるようになってきます。この状態を軽度のアルカローシスといいます

  血液が通常よりアルカリが亢進する結果になります。こうなってしまうと先ず、血液の粘度が上昇するとともにヘモクロビンに結合した酸素の結びつきも必要以上に強くなってしまいます。  その結果、本来酸素を必要としている細胞組織のところにこの赤血球がやって来てもヘモクロビンと酸素の結びつきが強いために組織へ酸素を受け渡すことが出来なくなってしまう状態に陥ってしまうことが、近年(20世紀初頭)デンマークの生理学者のボーアにより発見されました。 皮肉なことに、血液中には酸素がいっぱいで飽和状態になっているのに細胞組織はその酸素を受け取ることが困難になってしまうのです。さらにこの状態では気管支をとりまく平滑筋が緊張して強く締まって痙攣を起こすことも判っており、気道をより狭窄する原因になっています。

 そうなると気管支の炎症を起こしやすくなり、ヒスタミンレベルも上昇し、痰も活発に作られて呼吸困難、喘息発作を招く結果になってしまいます。 そして又、トリガー(アレルゲン、温度、ストレス等)に敏感になり、息が苦しくなり口呼吸、呼吸亢進(過呼吸)・・・と悪循環を作ってしまいます。

  ビューテイコ呼吸法はまさにこの悪循環を断ち、脳に酸素と二酸化炭素の正常なバランス時の呼吸を覚えてもらうお手伝いをするのです。 
酸素が流行の今日この頃ですが、以上の理由から体は酸素を必要以上は吸収できません。 もし体に酸素を入れるだけ入れられたら、命に係る大変な事になります。大切なのは酸素と二酸化炭素のバランスです。 流行に乗せられ、必要以上に酸素を使用してもお金の無駄になりかねません。
重要なのは、人体の構造上自然に行う呼吸の中で、吸引した空気の中の酸素をいかに効率よく、体内で活用するか? なのです。

 ビューテイコ自身は、この呼吸法を「太古の呼吸」と生前に言っていました。それには理由があります。ビューテイコ呼吸法は呼吸をゆっくりと味わう様に呼吸するために、吸い込んだ酸素を血液のPHを崩すことなく、最大限に利用できます。 その酸素と二酸化炭素のバランスが、まだ環境汚染の無い太古の地球の空気の状態に非常に似ているからです。 更に、この状態は人間の免疫力や様々な体の本来持つ機能を活性化する働きがあります。 水泳、サッカー、柔軟体操・・・あらゆるスポーツの前、後にビューテイコ呼吸法をすることをお勧めします。

呼吸の大切さ
呼吸の仕方は、脳神経系に直接影響を与えます。

 息を長くゆるく吐き続けることによって、セロトニン神経系と言う攻撃衝動を抑える神経系がうまく働き出します。  マウスを使った実験では、セロトニン神経系を取ってしまうと、そのマウスは攻撃性を示し、再び戻すと小さいマウスをいじめることも無くなる。
セロトニンとは主にストレスに関係する神経に働き平常心を作り出す、大切な神経伝達物質です。 東邦大学医学部生理学教授の有田秀穂さんは、学生を被験者に丹田 呼吸法を三回実施した後、尿と血液中のセロトニンレベルが上昇することを証明しました。
上記は『ここ一番に強くなるセロ トニン呼吸法』(地湧社)・・より引用。

  攻撃衝動をどうコントロールするかというのは、人間にとって大切な事です。  現在は、感情がコントロールできない人間が非常に増えています。 カナダとアメリカの共同研究により、農薬を体内に取り入れ無い環境に育った子供と、食物などにより農薬の摂取量が多い子供との環境を長年に渡り追跡調査した結果、2010年春に、農薬を多く体内に摂取する環境に育った子に、キレ易い、多動性、感情のコントロールが出来ない子が、2倍以上の確立で出と言う研究報告を公表しました。 NOAPA(日本オーガニック農産物協会)より引用。 この事から見ても、現在の人の攻撃衝動には様々な環境原因が複合的に関係しています。

  呼吸は交感神経と副交換神経で行われます。 呼吸で精神を安定させることに、少なからず貢献できるのならば、すばらしい事だと感じています。セロトニンは ドーパミン(喜び、快楽)、ノルアドレナリン(驚き、恐 れ)などの情報をコントロールし、精神を安定させる作用が あります。 これらは脳内で作られ使用されていますが、最近ではセロトニンは95パーセントが腸内で生産されていることが解明されています。
そのために、腹式呼吸でお腹がリズミカルに運動する事は、精神安定に大変必要な事です。

 さらに、おもしろい事が最近分かって来ました。二酸化炭素に反応することにより、セロトニンが作られるのです。 セロトニンが不足すると感情にブレーキがかかりにくくなりますが、セロトニンが多すぎても害が出始めます。 全て、程よいバランスが重要なのです。さらにセロトニンは喘息患者さんでは、平滑筋を緊張させる作用もありますので、ビューテイコ呼吸法はこの意味でも、これをコントロールする事を可能にした呼吸法だと言えます。

  呼吸を整える方法をマスターすれば、自分の精神状態や集中力もコントロールできるのです。
ヨガの瞑想や、座禅には神秘的な力を想像しがちですが、実は神秘的な力以外の科学的根拠があるのです。 彼らは、脳の状態をコントロールできるのです。

注意 誤解して炭酸ガスの多い空気を吸う、訓練無く、息を長く止める(一時、子供が競争で息を止め、死亡事故も起きました)様な事を決してしないで下さい。死亡するおそれがあります。効果があるのは、血液中の炭酸ガスの量です。また、あまりに、ゆっくりした呼吸も危険です。心の病気、心肺機能の低下の方は、15秒から30秒に1回が限度だと思います。できれば、呼吸法でカウンセリングすることに熟練したカウンセラーの指導を受けるのをおすすめします。









posted by ビューテイコ呼吸法 at 16:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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